過去の仕事場(04)
タンクキャップ取替
車両は、「バルカン1500」です。
タンクキャップのパッキン交換を、ご依頼いただいたのですが、
パッキンのみのパーツ設定がありません。
タンクキャップASSYの交換になります。
給油口から、タンクの中にゴミが入らないように、テープで塞いでから、
タンクキャップを取外します。
古いタンクキャップから、キーシリンダーを外します。
(鍵の先に付いているのがキーシリンダーです)
新しいタンクキャップにキーシリンダーを取付します。
新しいタンクキャップをタンクに取付します。
これで、ガソリン給油も、エンジン始動も、
今まで通り、1本のカギで出来るようになりました。
GPZ900R
GPZ900Rが車検で入庫しました。
この車両は、不調の原因が「多数」存在していて、久しぶりに悩みました。
この車両は、車検で入庫する少し前に「急に調子が悪くなった」と御来店いただいていました。
スロットルグリップを開けていくと、パン!パン!、音がします。
御来店される前に、「バッテリーがあがり、充電した」と聞いたので、バッテリーチェッカーで調べてみると、
充電後なのに数値が低く、バッテリーが終わっているのが分かりました。
バッテリーが不安定で調子が悪いのだろうと、違うバッテリーをつないでみたのですが、改善されません。
次に、プラグを確認すると、違う番手が取り付けられていたので、
標準プラグにしたのですが、まだ改善しません。
キャブレターのドレーンスクリューを開くと、ゴミが出てきました。
車検が近いので、その時に、キャブレターをOHさせていただくことになりました。
注文していたバッテリーが届き、しばらくして車両が入庫しました。
タンク&外装を外した後、キャブレター&エアクリーナーボックスを取外ししました。
車体から取外したエアクリーナーボックスは、
マイナスドライバーか何かで苦労した傷跡が残っていました。
ボックスの中に入っていたエアクリーナー・エレメントは、
汚れているし、
さばけて穴が開き、クリーナーの役目を果たしていませんでした。
タンクキャップを取外してドレーンを確認すると、詰まっていました。
詰まっていたドレーンの通路を、通しておきました。
タンクキャップを分解して、清掃したのですが、
以前、どこかで分解していたようで、
間違って反対に取り付けられていたパーツがありました。
車体から取外ししたキャブレターです。
今回も、清掃作業が大変なことになりそうです。
フロートチャンバーを外すと、
底にはゴミが溜まっていました。
金色のはずのメインジェットが、すごい色になっています。
バルブシートも黒くなっています。
キャブレターを分解して清掃しました。
底にゴミが溜まっていた、フロートチャンバの清掃後です。
清掃前は黒かったメインジェットは、金色に戻りました。
バルブシートは、刻印の数字も確認できるようになりました。
バラバラだった油面も、調整して、そろえました。
消耗品を取替して、組みなおしました。
キャブレターを車体に戻して、新しいバッテリーをつなぎ、エンジンを始動しました。
スロットルグリップを開けても、パン!パン!という音はしなくなり、
御来店時に、御客様の言っていた不調は改善しました。
この後、点検整備をして、愛媛運輸支局にて検査を受け、
車検整備も完了しました。
これで、修理も車検も出来たので、
御客様に車両を返してもよいのですが、
気になることがあります。
試走してみると、今までに乗った、他の「GPZ900R」と違い、
スムーズに回転が上がらないのです。
御客様に連絡してみると、
回転が上がらない症状は、御客様が乗り始めた時からあり、
「このオートバイは、こんなものかな?」と思っていたそうです。
もう少し時間をいただいて、調べてみることになりました。
試走している時に、乗る度に状態が変わるので、「電気系かな?」とも思っていました。
(以前、イグナイターが原因で、調子が悪くなったり、良くなったり、変化するオートバイがありました)
社長から、「もういっぺん、キャブを洗ってみんけんよ」というアドバイスで、
再度、清掃作業をすることにしました。
キャブレターを外すときに、キャブホルダ(インシュレーター)が動いたのに気がつきました。
エンジン側のバンドのスクリューを増し締めしようとしたのですが動きません。
スクリューを見てみると、止まっている所から先のネジ山がサビています。
キャブレターホルダは、どこかで交換されて新しい物になっていましたが、
その作業をした時に、
バンドのスクリューをサビで止まるところまでしか、締め付けていなかったのです。
他の3個を確認してみると、全て同じ状態で、固定できていないことが分かりました。
ここからエアを吸っていたので、乗る度に状態が変わっていたのでした。
取付バンドのネジ山を修正して、サビをとり、締付すると、
エアを吸わなくなったので、乗る度に状態が変わることは無くなりました。
エンジンの回転もスムーズに上がってくれるかもしれないと期待していたのですが、
そちらは改善していませんでした。
キャブレターの1回目の洗浄時、全ての通路が通ったのを確認したつもりですが、
社長のアドバイス通り、もう一度、清掃しました。
2回目の清掃には、1度目よりも強い洗浄剤を使い作業しました。しかし、症状は改善しませんでした。
これで、キャブレターの通路は全て通っていて、詰まりは無く、原因は他にあることになりました。
「GPZ900R」は、国内モデルだけではなく、輸出モデルが存在します。
輸出モデルには、北米仕様、アジア仕様、欧州仕様などの種類があります。
北米仕様の中には、US仕様、カルフォルニア仕様、カナダ仕様など、
欧州仕様の中には、UK仕様、フランス仕様、オランダ仕様など、細かく種類が有ります。
各国の法律に合うようにパーツにも種類があり、組み替えられています。
今回の車両のフレームは、輸出モデルの物で、
キャブレターのパーツも輸出モデルの物が取付していました。
「GPZ900R」のエアの吸入口は、
1穴タイプと、2穴タイプがあります。
キャブレターのジェット類は変更せずに、エアの吸入口だけを入替して試走してみると、
1穴タイプの方が、調子が良いのが分かりました。
エア吸入口を2穴タイプを取付していた時に、
ジェットニードルを、輸出用の物から国内用の物に入替して試走してみると、
高回転までは上がらなかったのですが、アイドリングから途中までは、あつかいやすくなり、調子が良くなりました。
エア吸入口は、調子の良かった1穴タイプを選択して、
キャブレターは、調子の良かったジェットニードルはもちろん、
メインジェットなど、できるだけ国内仕様に近づけて試走してみると、
スムーズに回転が上がるようになり、乗りやすいオートバイになりました。
「最近、起きた不調の修理」
「車検整備」
「以前からの不調の整備」
上記3種の整備をすることになったGPZ900Rでした。
ZRX400の配線修理
ステアリングを動かした時に、
ニュートラル・ランプが点灯したり消灯したりする「ZRX400」です。
UPPカウル&タンクを取外して、ハーネスを調べていきます。
原因は、写真に写っている配線でした。
90度に曲がっているところを、伸ばしたり曲げたりすると、
ニュートラル・ランプが点灯したり、消灯したりしました。
他のハーネスと同じ長さになるようにして、新しい配線をつなぎました。
(他の配線にも問題が有りました)
写真の右側に写っている配線は切れていて、切れた相手と離ればなれになっています。
写真の中央付近の配線2本は、まだ、断線はしていませんが、
被覆が切れて中の銅線が見えています。
そのままにしておくと、近いうちに切れてしまうでしょう。
切れていた配線は、相手を見つけて、つなぎました。
切れかかっていた2本も、つなぎ直しておきました。
ビニールテープを巻き直してから、車体に戻しました。
バイクショップ・サキヤマ
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