過去の仕事場(09)




バルブクリアランス調整

車両は、「W400」です。

ヘッドカバーとシリンダヘッドの間からオイル漏れを起こしていました。


オイル漏れの修理をするのに、ヘッドカバーを外すので、

同時に「バルブクリアランスの調整」が可能になります。

バルブクリアランスを調整すると、タペット音が静かになることを御客様に説明して、

作業させていただくことになりました。

(調整前)

#1・左

#1・右

#2・左

#2・右

EX

標準値

0.14〜0.19mm

0.08 mm

0.15 mm

0.15 mm

0.23 mm

IN

標準値

0.08〜0.13mm

0.21 mm

0.18 mm

0.18 mm

0.18 mm


標準値は、エキゾースト側が 0.14 〜 0.19 mm 、 インテーク側が 0.08 〜 0.13 mm なので、

EX側が半分、IN側は全て、標準値から外れていました。


(調整後)

#1・左

#1・右

#2・左

#2・右

EX

標準値

0.14〜0.19mm

0.18 mm

0.18 mm

0.18 mm

0.18 mm

IN

標準値

0.08〜0.13mm

0.12 mm

0.13 mm

0.12 mm

0.12 mm

エキゾースト側は全て 0.18 mm に、そろえました。

インテーク側は 0.12 〜 0.13 mm に、調整しました。



オーナー様は、左右のエンジンカバーを所持されていて、

パーツ持込での取替作業を、追加で依頼されました。

ゼネレーターカバーには、ステーターコイルが取付されていて、

新しいカバーに移植しないといけないのですが、

接続カプラーが外れてくれません。

焼けています。

カプラーは外れないし、赤い矢印の下の2本の配線は、被覆が溶けて引っ付いています。

青い矢印の下の配線の色は、黄色だったものが、焦げて茶色に変色しています。

配線を延長して、黒いカプラーに作り替えしました。

作業中の写真です。

左のエンジンカバー(ゼネレーターカバー)を外すには、

ステップ、チェンジペダル、スプロケットカバーを外して、

ステーターコイルの配線を外す必要があります。

左側は、全てのパーツを準備されていたのですが、

右側は、クラッチカバーのオイル点検窓(オイルレベルゲージ)が無かったので、

当店で用意させていただきました。

クラッチカバーにオイル点検窓を圧入しました。

古いクラッチカバーから、防振材を取外して、

新しいカバーに移植しました。

作業完了後、オーナー様が迎えに来られるでは、

雨に濡らさないように、店内に移動して保管していました。




ハブベアリング取替

車両は、HONDAの競技用車両「CR」です。

ホイールのベアリング取替を依頼していただきました。

前輪は自分も乗っていた、Kawasakiの「KX」と同じ方法で作業しましたが、

後輪は少し、違っていました。

シールを外しても、その下に、スナップリングは存在せず、

6ヶ所の溝があるリテーナーで固定されています。

上の写真のような4点に作用する工具は、当店にも数種類あるのですが、

6点に作用する工具はありません。

使用頻度を考えると、購入は難しく、金ノコ&ヤスリを使い、簡易の工具を作りました。

取外したリテーナーです。

リテーナーが外れると、ベアリングを外すことが出来ます。

ベアリング・リムーバーを使って、

ベアリングを取外しました。


前輪のベアリングを外すときは、KXで使っていた工具を用いて作業しましたが、

後輪はサイズが違い、KX用の工具が使えず、写真のベアリング・リムーバーを使いました。


新しい部品を、ベアリング・ドライバーを使って圧入し、

リテーナーを締付、シールを取付して、

ベアリングの取替作業が完了しました。




キャブレター清掃

車両は、HONDAの「CBR1100XX」です。

オジサン世代には、愛称で言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。

「ブラックバード」というニックネームで呼ばれていた車両です。


インジェクション・モデルもありますが、今回の車両はキャブレター・モデルです。

車体からキャブレターを外しました。

油面を計ることが出来なかったので、「サビ」、「ゴミ」が堆積していることは予想していました。

目視で、堆積物を確認しました。


フロートチャンバーの底に、あれだけ堆積していたのですから、

キャブレターの通路内も、かなり吸い込んでいるはずです。

(清掃して、取り除く作業が必要になりました)

清掃前は、真っ黒だったところも、

清掃して、元の色にもどりました。

もちろん、通路も通しておきました。

上の写真は、タンク下に取り付けられている、負圧式のガソリンコックです。

負圧になるとガソリンが吐出され、負圧が止まるとガソリンも止まります。

ですが、この車両は、負圧が止まっても、ガソリンが止まらない状態でした。


分解して調べてみると、

バキューム・ラインにゴミが詰まっており、

異物を取り除くと、ガソリンが止まるようになりました。


どのメーカーにも言えるのですが、

キャブレター・モデルは、販売終了しているパーツが増えてきて、

修理するのが大変になってきました。




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