過去の仕事場(11)




YZF-R1のフロントフォーク

車両は、YAMAHAの「YZF−R1」です。

毛布やタオルで保護して、ハンドル&レバーは、袋の中に入れて、

パーツを取外す準備をしてから、作業にとりかかりました。

車体から取外したフロントフォークです。

ダストシールに、「ひび割れ」を確認しました。

今回、このパーツも取替します。

パレットの中にあるのが、排出したフォークオイルです。

汚れてグレーになっていました。


フロントフォークを分解しました。

今回、取替したパーツです。




フロントフォークのオーバーホール

当店では、今でも自店でフロントフォークを整備していますが、

最近は、御客様から依頼を受けると、サスペンション・ショップへ送るところが増えています。


この分業方式は、四輪車の世界では、当たり前になっていて、

ぶつけて破損した自動車を、購入した店舗に持ちこんでも、そこで作業はしないで、

御客様が帰宅された後、板金・ 塗装をしている整備工場へ移動して、板金屋さんが作業、

エアコンなどの電気系トラブルが起きた車両は、自動車電気の電気屋さんが作業しています。


ある四輪ディーラーの場合、

時間が必要だったり、悩むような、効率の悪い仕事は他社に出して、

自社の整備士さんには、

洗車担当だと、洗車だけをさせて、

車検担当だと、車検だけをさせているそうです。


一日中、同じ作業をしているので、作業効率が上がる。

他社へ出している業務を担当する整備士を、自社で雇わずにすむので、人件費がコストダウンできる。

また、他社へ出している作業をするための特殊工具やブースが必要ないので、

工具や機械施設の費用がコストダウンできる。

と考えているみたいです。



話を、二輪のフロントフォークに戻します。

ある業者さんは、「昔のは、自分の所でしてたけど、最近のは、やり方が分からん」、

「それに、特殊工具が要るやろ」と言っていました。


オートバイ・メーカーとサスペンション・メーカーが研究開発して、

どんどん新しいサスペンションが登場しています。

新しい物は、それまでの物とは構造が違うので、作業の仕方が違います。

新しい作業方法を覚える必要があります。


新しい物が、それまでの物と構造が違うということは、

作業するには、新しい専用の工具が必要になります。

特殊工具は、一般工具よりも高額なので、1台や2台の作業したのでは、採算が合いません。


それで、新しい作業方法を覚えなくてもいいし、新しい工具を購入しなくてもいい、

サスペンション・ショップへ送るという方法を選択してしまうみたいです。



当店では今のところ、

国内4メーカーの、ほとんどのフロントフォークを分解できるはずです。

Kawasaki以外にも、

HONDA・・・CBR1000RR、CBR1100XX等

YAMAHA・・・XJR1300、MT−09、T−MAX等

SUZUKI・・・GSX−R、GSX1300R(ハヤブサ)等

の作業をしてきました。


私も、老眼鏡が必要で、白髪が目立つ年齢になり、新しい事を覚えにくくなってきました。

もう、これ以上、新しい作業方式が覚えられなくなったり、新しい特殊工具を揃えられなかったら、

自店で出来なくなるかもしれませんが、

それまでは、ご依頼をいただければ、作業させていただきます。




ZX−6Rのフロントフォーク

車両は、「Ninja ZX−6R」です。

外装を外し、車体を吊り上げてホイールを外し、

フロントフォークを外しました。

フロントフォークは、オイルが漏れている状態でした。

漏れたオイルと、それに付着した汚れを清掃すると、

インナーチューブは、サビが発生していて「ブツブツ」の状態でした。

これではストロークした時に、シールを傷つけてしまいますね。


今回は、コンパウンドで磨いて、再使用しましたが、

すぐに再発するようなら、インナーチューブを取替した方がいいでしょう。


アウターチューブから、トップキャップを外した所です。

一般的なボルト&ナットは「六角形」で、右側に写っている「6角用」の一般的な工具を使いますが、

最近のトップキャップは「八角形」なので、左側に写っているような、「8角用」の工具が必要です。


サスペンション・メーカーの「SHOWA」と「KYB」でサイズが違うし、

「LOADモデル」と「OFFモデル」でも、サイズが違いますので、

仕事で使うには、トップキャップに使う工具だけでも数個が必要になります。


フロントフォークを分解しました。

この時にも、専用工具(特殊工具)を使うのですが、

サスペンションのサイズが違うので、

「ZX−10R」の工具を、「ZX−6R」に使うことは出来ません。

分解する時に使う工具も、車種ごとに、複数個が必要になります。

(上の写真に写っているのは、「ZX−10R用」と「ZX−6R用」です)


排出したフォークオイルです。

オイルの汚れを見ると、しばらく交換をしていなかったのが分かります。

クーラント漏れの修理も、ご依頼いただきました。

御客様が、見つけられたのは、車体の左側のホースの所でした。


調べてみると、他のところからも冷却水が漏れていました。


上の写真の、赤い矢印のところに冷却水が漏れた跡があります。

ホースを外しました。

赤い矢印のところが酷く見えるかもしれませんが、

青い矢印の所が大変でした。

(通路が詰まって、穴が見えません)


青い矢印のところの通路を通しました。

(穴が見えるようになりました)


通路が詰まった為、

行き場の無くなったクーラントが外に漏れてきたのでしょう。


作業している途中に、気が付いたのですが、

スロットルボディが、かなり汚れていました。

綿棒を使って、清掃しておきました。

(これは依頼されていなかったので、サービスでしておきました)


これだけ黒く汚れているのですから、

綿棒の入らない小さな通路も、汚れて(詰まって)いるはずです。


今回は、綿棒を使った簡単な清掃でしたが、

スロットルボディを車体から取外して、バルブや通路を含む、丁寧な清掃をした方が良いでしょう。

(当店で、スロットボディを車体から外した丁寧な清掃をした場合は、清掃後に同調調整もしています)





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